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健康野菜を売れ



<村上農園>

加茂慎太郎センター長

八ヶ岳山麓に位置する山梨県北杜市は、日照時間日本一と豊かできれいな水で知られ、農業の好条件に恵まれている。
しかし養蚕業の衰退による桑園の衰退などで耕作放棄地が多く、その活用が長年の課題になっていた。
市は、ほ場整備を進め大規模野菜団地を造成、農場経営をする企業誘致を進めてきた。

その結果19社の進出が決定、すでに16社が生産を開始している。
各社とも大規模な耕作地を活かした効率経営と、野菜の生産に向いた自然環境、さらには首都圏に近いという物流の利点を考慮した新品種開発などに取り組んでいる。
そのうちの一つが「村上農園」だ。
この会社は2.7ヘクタールの敷地面積を持つ植物工場で豆苗(とうみょう)などの生産をしている。

「豆苗とはえんどう豆の若菜で栄養豊富な緑黄色野菜です。
当社はビタミンや植物由来の有用成分などのうち、本来野菜に全く含まれていない、あるいは微量しか含まれていないものを、技術を用いて多く含むようにした『高成分野菜』を生産しています。
少ない量でも高い栄養を摂取できるため、高齢社会では需要が広がるはずです」
こう語るのは加茂慎太郎生産センター長だ。

北杜市には最新鋭の野菜工場が造成されている


工場内で種子を発芽させ、暗所で育て、ハウス内で太陽光を利用して緑化させる。
先進国オランダと日本の技術で、冷房や搬送のシステムを構築、光や気温もコンピュターで管理している。

「原料の種子の残留農薬検査、有害微生物検査、金属や異物が混入しないための検査、放射性物質の検査など安全管理を徹底しています」
(加茂さん)
この村上農園の北杜生産センターは月産300万パックの豆苗を生産しているが、前年度に比べて生産量は5割も増えている。

「高付加価値な野菜を、工場内で安全に安定生産する考え方は、今後多くの人に支持されるはずです。
少し食べるだけでも高い栄養が得られる豆苗はまだまだ拡大の余地があります」
と加茂さんは語る。

栽培条件はコンピュターで一元管理される


この工場だけでも60人が交代で働く。
かつての耕作放棄地が地元雇用の場になり、また健康野菜という付加価値農業への挑戦の場になっている。

地元への雇用効果も大きい


村上農園は、1978年に広島で創業した。
紅タデからカイワレ大根の生産へとビジネスを広げ、ついにカイワレ大根の生産では日本一となる。
そんな村上農園を襲った最大の危機が1996年に起きたO-157による食中毒事件。感染源がカイワレ大根ではないかと疑われ、全国のカイワレ農家へ風評被害が起きた。
生産のほとんどがカイワレ大根だった村上農園も廃業の危機に立たされる。
その後試験的に育て始めていた豆苗の生産に一気に注力し、豆苗市場を拡大した。

現在はアメリカで発見されたブロッコリースプラウトの体に良い作用に目をつけ、その研究者であるタラレー博士を説得。
高品質なブロッコリースプラウトを作るための独占的ライセンス契約を結んで新たな挑戦を続けている。

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